京都議定書の露の批准は僕ら1人1人の力

今年の夏は暑かった……そんな言葉を毎年口にしているような気がするここ数年。地球の温暖化が人々の日常の会話の中にもようやく溶け込んだのはその暑さのせいだと思う。そこそこ快適な「暑さ」というものを越えてしまって、「夏は暑いものだから」という言葉も何の慰めにもなっていないですよね。冷房をつけるとそのせいで都市部ではより暑くなる…頭では分かっているし、高騰する電気代にもウンザリするけれど、どうにもならないくらい暑い。

年々暑くなる夏と一緒に「温暖化」という言葉が広がったのは、おそらく1996年に京都で開かれた国際会議もあると思う。そこで決められた京都議定書から早8年目。米露中という二酸化炭素超大国でもあるこれらが批准せずに延び延びになっているところに届いたのが、「ロシアが批准する見通し」という情報。ロシア政府が批准を承認し、このあと下院を通して決定される。議定書が求める包括的な行動計画を3ヶ月以内に作成するそうだ。

議定書が発行されるには、55ヶ国以上の批准と二酸化炭素の排出量合計が55%以上になることが必要でアメリカが2001年にこの話し合いから降りたあと、ロシアの行動に全てがかかっていた。各種マスコミでの報道によれば、ロシアが今回の決定をしたのは「国際世論の反発が強まることの恐れ」。

国際協力活動やNGO活動に関わる僕たちの役割のひとつがここにあるでしょう。96年の京都での会議には日本の多くのNGOが関わったし、その後の活動も継続してきています。
グリンピースなどは、化石燃料の使用の代替案としての風力発電などの自然エネルギー推進のための活動や、企業への働きかけのなかでフロンを使った冷蔵機器の使用を止めることを控えることなども同時に進めてきています。

NGO活動、国際協力活動というと、すぐに現地にということを言います。もちろん、それを行う必要性があるのは間違いないですが、こうした「地球規模問題」の広がりが国際的にNGOの活動の活発化を生み出してきているのであれば、その問題は温暖化のようにすぐ身の回りにもあるはずです。

例えば、今日のテレビ朝日報道ステーション」に紹介されていたクルド人難民の問題も「他人」のことではないはずですよね。そういうところから、地道に始めることもまた大切なことだと思います。