NPO/NGOを支援する

市民が主体となった社会活動団体として日本では「NPO(非営利組織)」という言葉が定着してきました。僕はブログのタイトルにある通り「NGO」という言葉の方を多用しますが、日本では、「NPO=国内、NGO=国外」に活動の視線を持つという感覚が広がっています。僕もその認識でタイトルをつけましたが、おかしな話で、NPOの対立(というほどの明確さはないですが)対象として、「企業」というのをやはりイメージしているんでしょうか?僕がこういうものに関わり始めたのは「国・自治体」であったので(最初は国際協力関係ではなかったのです)、NGOといわれる方がしっくりきます。

もちろん、本来は市民による社会活動団体は、営利を求めるのではなく(NPO)、また政府や地方自治体とも独立した関係を持つ(NGO)であるべきで、 NPOでありかつNGOであるのが正しいはずです。さらにそれらNGO/NPOがお互いに協力するなかでネットワークが生まれ、また企業や政府とも違う立場であるからこそ、それらとの間に協力関係・連携が生まれます。いや、それであって初めて協力・連携の関係が生まれるはずです。

しかし、やはりまだ政府や自治体に寄り添った活動が多いところを見てみると、やはり日本の市民による社会活動団体は「NPO」なんだろうな、という気がします。それどころか、NGOや非政府組織という言葉を用いると、怪訝な顔をされるような状態もイメージ可能です。少し寂しい感じもします。

そういう意味では、「NPO/NGOを支援するNPO/NGO」というものもなかなか現実的にはこの社会において必要とされづらいのかな、という気がしています。僕はインターネット上にてNPO/NGO活動を支援するNPO法人、そしてここに何度も出ている国際協力NGO(/NPO)の支援を行うネットワークNGO(/NPO)に関わっています。………上に書いたように、当初の"NGO"の意識が強かったからかもしれません。

ただでさえ「市民社会」が成熟していない…というより「ない?」…日本社会に置いて、支援NPO/NGOがぞんざいする必要性というのは強くあります。それは単にNPO/NGOそのものを支援するだけでなく、その存在はNPO/NGOのある周りの環境そのものを生み出す役割を持つからです。

例えば、ここ数年全国で乱立する半官半民のNPOセンターのようなものの活動事情を見てもらうとよく分かることと思います。彼らが行うのは、 NPO/NGOのための情報や場所の提供のみならず、一般市民に向けた、いわゆる啓発活動も行います。それは巡り巡ってこの国の市民社会を強くする、形作る重要な役割です。そしてそうしたことを小さいながらもNPO/NGOそのものが主体となって行うことはよりこれらの団体の活動のために必要とされることでしょう。

一方で、そうした支援NPO/NGOに対して、実は個々のNPO/NGOの関心は以上に低いのも現実です。例えば、前述のセンターのようなものに対して、どれだけ協力的か?を見てみれば分かります。もちろん、それぞれの団体でそれぞれの活動を持ち、また現在では多くが自分の仕事にプラスして行う以上、困難な側面はありますが、周り回って自らの社会における位置づけを後押しするのだ、という意識が非常に小さいのも現実です。

NPO/NGOを支援するNPO/NGOをどれだけ既存のNPO/NGOが支えることができるか、そして市民がそうしたNPO/NGO支援NPO/NGO を応援し、またNPO/NGOのネットワークを応援することができるか?によって、今後の社会のあり方は大きく違うだろうなぁというのが実感です。それはすごく大切なことだと思いますし、だからこそ、僕も自分自身の問題関心の元で行うNGOにプラスして、そうした支援NPO/NGO、またネットワーク NPO/NGOに関わっているのだと思うのです。