「何もない…」〜アフリカ東部地震

今年も福岡・天神の風物詩ともいえる旧岩田屋前の宝くじ売り場に大行列が出来ている。3億円は確かに大きいし夢がある。けれど、「地震の当たり年」というのは嬉しいものではない。最近の中国内陸部やイラン沿岸部での地震に続き、今度はアフリカ東部、コンゴ民主共和国の都市カレミKalemieの南東55km、タンザニア西部のタンガニーカ湖の辺りで、日本時間の午後9時過ぎごろM6.8という大きな地震が起きたようだ(毎日新聞)。

BBCニュースによると、この地震では、コンゴ民主共和国タンザニアはもちろん、その両者に挟まれた北側の国ブルンジルワンダ、さらにインド洋側の国々まで揺れたようだ。ケニアの首都ナイロビでも15秒ほど揺れ続け、数百人がビルから避難するなどという状況だったようだ。BBCでは震源地近くで人道支援活動を行っている者の話として被害者たちが病院に運ばれる様子を伝えている。またカレミからの多数の家が崩壊し、何人もの子どもたちが屋根の下敷きになっているとの情報を掲載。

ただこのBBCの報道のなかで目を引くのは、コンゴ民主共和国東部はここ数年の戦争によって荒廃しており、コミュニケーション手段もインフラも貧しいままであるという記述。そして南アフリカの研究者は「地震の被害は甚大だが、その地域にどんなインフラがあるというのか?」と話し、次のように続けていたのが考えさせるものだった。「そこには破壊されるようなものはまったくないだろう」。

今年は7月のグレンイーグルズ・サミットや9月のホワイトバンドデーを中心として「アフリカの貧困問題の解決」というものに大きな焦点を当ててきた。5日に外務相を訪ねたケマル・デルビシュ国連開発計画(UNDP)総裁も日本に引き続きミレニアム開発目標(MDGs)の実現のための協力を求めていた(日本経済新聞)。地震の被害が少なく、死傷者が少なければそれは嬉しいことに違いないが、しかし上のような発言にある状況は間違いなく「何とかしなければならない」状況だ。今後の情報が出てくれば、また掲載します。