京都議定書、始動!しかし……

金曜日にロシアのプーチン大統領地球温暖化防止のための京都議定書の批准書に署名したそうです。これで、「批准した先進国の二酸化炭素排出量の合計が全体の55%に達する」という発効条件が整ったということで、90日後の来年2月には議定書が発効し、2008年から12年までに温室効果ガス排出を削減する方向に動き出すということになります。

もともとロシアはEUとの関係の中で、議定書と世界貿易機関(WTO)加盟という天秤にかけて交渉を行い、その切り札としていました。そのため、今月半ばのEU露首脳会議のなかで、これを大々的にアピールするらしいとのことです。

ブッシュ大統領が再選を確実にしたことで、アメリカの環境政策というのは今後も基本的には変わらないという状態が続くことになります。排出量が多いアメリカが後ろ向きである中で、前にブログで書いた排出権取引を巡って、アメリカの企業を初めとして、世界中の多国籍企業がその売買取引の中で動くという、まさに"グローバリゼーション"の問題点を浮き彫りにする仕組みです。今後もNGOを中心として市民の監視が必要になるでしょう。