国境なき医師団もイラクから撤退

今日はお伝えしたいことが多くて4つ目の記事ですが、これをどうしても一番に伝えたかったのでこちらからお伝えします。

先日のブログで世界有数の国際支援NGO「ケア・インターナショナル」がイラクから撤退することを明らかにしたという情報をお伝えしましたが、今度はフランス初の国際医療援助NGO国境なき医師団(MSF)」もイラクから撤退することを明らかにしました。

2002年末からイラクでの活動を開始したMSFは現在も約90人のスタッフが活動しているのですが、治安の悪化によりスタッフの安全が保障できないとして撤退する方針を明らかにしたそうです。MSFベルギーの事務局長はホームページで「MSFという組織が、外国人、イラク人を問わず自らのスタッフに容認できるレベルの安全を確保することは不可能になってしまいました。イラクの人々が以前にも増して医療援助を必要としている今、それに応えられなくなってしまったのは無念の極みです」と述べています。

MSFはイラクでの援助で、バクダッド市内の病院を支援し、サドル・シティでは3つの診療所を立ち上げ支援を行い10万件の診療を行ったと言います。またファルージャを初めとして、米英軍などの激しい戦闘に晒された街で調査を行い、地元の医療関係者支援を行ったり、九州活動を行ったりしていたと言いいます。

こうした活動が徐々にできなくなっている状態に、戦争が始まって1年半以上が経過するイラクに置いてなってしまっている現実をもっと僕たちは直視する必要があるのではないでしょうか。そのイラクに今日も東北の部隊から自衛隊が派遣され、NGOや報道関係者など、イラクの現状を伝えることのできる他の手段も徐々に失われていき、イラクが密室の中に閉じこめられてしまう現状はどう考えても正常だとは思えません。そのなかで、日本に住む僕たちができることは、そうしたことに荷担をすることなく、自衛隊も交えて、もう一度支援の方法を考えるということではないかと、改めて思うのです。