劣化ウラン弾を使う国、拒む市民

以前から何度か触れていますが、今日は僕が働いているネットワークNGOの主催事業である連続講座「NGOカレッジ」の第4回がありました。詳細は、近日中にまた書きますが、今日の講座のタイトルは「劣化ウラン弾原子力発電所〜『核のゴミ』が兵器になるとき」というもので、講師は劣化ウラン研究会代表の山崎久隆さんでした。

劣化ウラン弾」と聞いて「こういうものだ」と説明できる人は少ないかもしれません。僕自身も、いろいろと環境や人体への影響、また原子力発電所などのなかで出てきた一種の「ゴミ」であることはなんとなく知っていましたが、それ以上ではありませんでした。今回の講座はひとつひとつアナを潰していくような丁寧かつ詳細なお話を講師の山崎さんがしてくださったことでまだまだ曖昧ではありますが、『イメージ』ながら確固たるものができてきたような気がします。(上にも書きましたが、内容に関してはまたまとめますね。)

劣化ウラン弾をはじめとした「劣化ウラン兵器」の問題に関しては徐々に使用・製造の禁止を目指したグローバルなネットワークの形ができつつあるそうです。例えば、山崎さんたちの関わっている東京周辺地域を中心にネットワークされた「劣化ウラン兵器禁止・市民ネットワーク」、キャンペーンを行う「STOP!劣化ウラン弾キャンペーン」、他に4月にイラクで拘束された今井紀明さんが前代表であった「NO!!小型核兵器(DU)サッポロ・プロジェクト」は北海道地域で、世界最初の被曝体験を持つ広島では「NO DU(劣化ウラン弾禁止)ヒロシマ・プロジェクト」、また地域横断的に行うキャンペーン団体「劣化ウラン廃絶キャンペーン」などがあります。福岡も先月7日の「劣化ウラン兵器禁止を求める国際行動デー」(この行動デーに関しては例えば上記ヒロシマ・プロジェクトのこちらのページを参考にしてください)に「ウラン兵器廃絶キャンペーン・福岡」が立ち上がりました。

また国際的にも「ウラン兵器の禁止を求める国際連合(ICBUW)」が署名を集めるキャンペーンを張り、「ウラン兵器禁止条約」の策定を求めて活動しています(これについてもヒロシマ・プロジェクトに条文案が掲載されています)。イラクで何が起こっているか?というのはまだまだ分からないのが正直なところです。しかし、湾岸戦争イラク劣化ウラン弾によってどのような被害が起こっているか?ということは明確です。その後も、旧ユーゴの紛争においても NATO軍が利用し、その後のアフガニスタンや先立ってのイラク"戦争"においても使われていることが明らかになっています。(しかし、山崎さんによるとまだ戦争が終わっていない段階で劣化ウラン弾兵器の使用が明らかになる例というのは初めてだそうです。)

日本はそんななか自衛隊の駐留を続けようとしています。大野防衛庁長官は、ポーズのためにサマワに出発しました。それはボスであるアメリカの軍隊がイラク人拘束者への虐待写真がネット上に流れたことがAP通信によって報じられたその日でした(リンクは朝日新聞記事です)。この国に協力することをどのように考えるか?ということは今まで以上にもっと日本にとって大切になるのだろうと思うのです。そして何10トンも劣化ウラン弾イラクにぶち込んで人が生活することができなくしている、そして自らの兵士もまた被曝させている国と、世界で唯一の戦争による核兵器による被爆国が。