ワールドカップ、「割り箸」から環境問題を考える

こんな記事がありました。

マックのコーラに冷や水 「環境W杯」で保護団体
「環境に優しい」と銘打ったサッカー・ワールドカップ(W杯)の有力スポンサー、マクドナルドとコカ・コーラがドイツなどで限定販売しているサッカーボール型のプラスチック容器に入ったコーラ「ドリンク・ボール」に対し、環境保護団体から「(容器が)回収されずに捨てられてしまう」と批判の声が出ている。

 ドイツでは飲み物を買うと1本につき約35円のデポジットを支払い、空の容器を店に返すと返金される仕組みが定着。リサイクル費用の多くを企業側が負担している。

 だが、マクドナルドはドリンク・ボールがW杯を記念した「お宝」であり、客は大事に保管するとして、デポジット制を採用していない。(後略)[Yahoo!ニュース:共同通信

記事によるとドイツの環境NGOドイツ環境救助協会(Deutsche Umwelthilfe: DUH)」は「デポジットがないとリサイクルされない」と批判し、また飲料業界も批判しているそうです。DUHはこちらのページでプレスリリースを出しているのですが、もちろんドイツ語なので読めるはずもなく(学部時代にドイツ語をやっては…いや、やらされてはいたのですが。このサイトを捜すだけで精一杯でした)、どなたかお分かりになる方がおられれば詳細を教えてください。

一方で、同時に驚いたのは同記事の中にあった報道でした。それは、「国際サッカー連盟(FIFA)は、今大会中の発電量増加などで発生する温暖化ガスを他国との排出権取引で相殺して事実上ゼロにする計画を示し、「最も環境に優しい大会」と説明している。」というところです。FIFAというひとつの団体が排出権取引をするというのは、どういうことなんでしょうか。ドイツという国がそれを排出権取引によって処理するというのは分かるのですが(もちろん「排出権取引」というもの事態が虚構としか見えないのですが)・・・と思って調べてみると、こんな記事も。

 国際サッカー連盟FIFA)は6月のサッカー・ワールドカップ(W杯)ドイツ大会期間中に発生する2酸化炭素(CO2)など温暖化ガスを他国との排出権取引によって全量相殺する。ドイツテレコムなど同大会の後援企業が排出権取得の資金を拠出する。大会時に交通量や発電量の増加で環境破壊が進むといった環境団体などからの批判を和らげ、4年に1度の大規模イベントを円滑に運営する狙いがある。

 世界的な環境問題に取り組む非政府組織(NGO)の世界自然保護基金WWF)などによると、世界規模のスポーツ大会で主催者が温暖化ガス削減プロジェクトに取り組むのは今回が初めてという。[NIKKEI NET SOCCER@EXPRESS: 5/13

ワールドカップのようなところでもこうした環境保護の観点を持ち動いているということは大切なことだと思いますが、改めて環境問題というのは難しいなと思います。

そういえば、6日のNHKクローズアップ現代で「割り箸」を取り上げていましたね。年間248億膳の割り箸を日本では消費しているということですが、その97%は中国からの輸入だそうで、しかも日本産割り箸が間伐材の端材を用いる廃材利用であることに対して、中国では木が丸ごと割り箸生産にあてられているそうです。しかし中国の木材需要の急増や森林保護の活動の活発化により輸出が困難になり、また国際的な規模で木材の争奪戦が行われているなか、日本では割り箸の値上げが始まり、また新たな供給先を模索する様子が描かれていました。

番組ではここから日本での森林の問題へと話は進み、某コンビニメーカーが有料の割り箸を売り始め(1膳5円で、8割近くが森林保護に回される)、しかし消費者意識の低さからなかなかそれが受容されない状況についても触れられていました。

改めて環境問題というのは僕たち一人一人の生活に立ち返ると共に、このコンビニメーカーの勇気ある取り組み(もちろん全てが環境保護の観点ではないにしろ)を支援していくこともまた大切になるだろうと改めて感じます。ゲストの内橋克人さんが仰られていましたが、自覚的消費者を育てること、そして地域産業へと降り戻し、改めて見直すことが大切になるでしょう。

ところで、どなたかこの番組を録画されており、コピーして頂ける方がおられたら是非ご一報下さい。最初の方をきちんと見れていないので、是非ちゃんと見てみたいと思っています。よろしくお願いします!