世界幸福地図

 この地図は「世界幸福地図(The World Map of Happiness)」というもので、イギリスのレスター大学、エイドリアン・ホワイト氏が発表したもの、

中国新聞(共同)「幸福度1位はデンマーク 日本90位」
 幸せになりたい人はデンマークへ―。英レスター大の社会心理学分析の研究者が二十八日、英シンクタンクのデータを基にした独自の計算で各国国民の幸福度を順位付け、色分けした「世界幸福地図」を発表した。一位はデンマークで日本は九十位、最下位はアフリカのブルンジだった。

 調査対象となった百七十八カ国の基礎データや、約八万人に聞き取り調査した国際機関の発表済みの百以上の報告書を分析。(1)良好な健康管理 (2)高い国内総生産(GDP)(3)教育を受ける機会(4)景観の芸術的美しさ(5)国民の強い同一性―の条件が整った国の国民は「幸せ」と回答する傾向が強いということが分かったという。(以下略)

ホワイト氏は最近のBBCの調査を引き合いに「人口の81%が政府が我々をより裕福であるというよりはむしろ、より幸せにすることに集中しなければならないと思っていることが明らかになった」と述べ、健康、富、教育の3つの変数が互いに非常に関係が強く、これらの要因の相互依存関係を例示したものがこの地図だと言っています(こちらのプレスリリースより(英語))。

「幸福」という価値観で思い出すのは、ブータンの「国民総幸福量(GNH: Gross National Happiness)」という言葉です。国民総生産(GNP)といった経済的豊かさを基準とするのではなく、GNHという一見計りにくい価値観を国の開発政策の重要な方向性としています。GNHには4つの柱があり、それは(1)持続可能で公平な社会経済開発、(2)自然環境の保護、(3)有形・無形文化財の保護、(4)グッド・ガバナンス(良い統治)です。(詳しくは上田晶子著『ブータンにみる開発の概念 (明石ライブラリー)』などを参照してください。)ちなみにブータンはホワイト氏によれば、第8位だそうですよ。

ブータンにみる開発の概念 (明石ライブラリー)

ブータンにみる開発の概念 (明石ライブラリー)

経済的な行き詰まりのなかで、「幸福」という価値観で行う国造りを行うブータン。こんな中で出てくる国や自分の住む町を愛する心は、教育基本法憲法を変えてまで「愛国心」を生み出そうとするどこぞの国とは大きな違いですね。

※ちなみに世界の国々の順位ベスト10は以下の通り。またベスト20と主な国々、ワースト10は長くなるので、こちらの僕個人のブログで紹介します(このあと更新します)。また詳細はこちらのレスター大学のウェブサイトに掲載されています。


 1位 デンマーク
 2位 スイス
 3位 オーストリア
 4位 アイスランド
 5位 バハマ
 6位 フィンランド
 7位 スウェーデン
 8位 ブータン
 9位 ブルネイ
10位 カナダ