国際協力を仕事にする第1歩〜N研


約9ヶ月間、まずはこの日のために準備し続けてきた講座が開講しました。「国際協力・NGOで働きたい一のための研修プログラム」、通称「N研」。ここ2〜3年、とみに増え続けてきた「将来、国際協力の現場やNGOで働きたい」という相談に対する、僕らなりのひとつの帰結です。

 もちろん、「働きたい」という方に対する何らかの「資格」を与えるわけではありません。そもそも資格なんて必要ないのがこの分野です。何よりも、その人の持つ強い問題意識による活動に対して後から「NGO」なんて名前が付けられたようなものなのですから。逆に言えば、「働きたい」と思う前になんらかのそうした「問題意識」があるはずで、漠然と国際協力というところで働きたい方のどこかしらに眠っている、フワフワとした問題意識を幾ばくかの確固とした「形」を作る場所としての研修の場でもあると思っています。

 そのN研の開講式、そして続く1泊2日の国内研修をこの週末に行いました。1日目のこの日。上の写真にある農林業体験交流施設「四季菜館」に、スタッフ、ボランティア両研修コース受講生各10名が集まりました(今回の研修への応募が定員を超えたため選考をさせて頂きました)。お昼過ぎにスタートした開講式・オリエンテーションのあと、少しばかり緊張した面もちの受講生の方を前に、3時間の半年間の研修の導入ワークショップをしました。アイスブレーキングとしての受講生同士の自己紹介をしながらの「今」頭のなかにある「問題意識」の一部を取り出す作業を行い、多少それを深めた後、国際協力・NGO活動の種類について絵を描きながらワークを行いました。僕のワークを受けて下さった方はイヤというほど聴かされているだろう(笑)、「川を流れる赤ちゃん」ワークショップです。本来は、政策提言・アドボカシーについて理解を深めるお話ですが、多少アレンジして1時間ほどのワークにしています。もともとのお話自体が良くできているわけですが、ひとつの事柄の周りにある様々なアクションを考えるにはピカイチ(死語ですね)だと思ってます。

 そして四季菜館に事務所を構える、農村環境保全活動に取り組む「山村塾」のKさんにその活動についてお話をして頂きました。翌日のワークも念頭に置きながら聞いて頂けたでしょうか。わずか福岡市内から1時間半余りの場所にこんな面白い活動をしているところがあることもまた知って頂きたかったのです。

 夕食。四季菜館館長の手作りの美味しい食事を頂き、続いて山村塾代表のTさんを中心に酔狂三問答(3ではすまない?)で就寝時間まで、受講生数人の方も交えていろいろとお話を伺いました。初日のワークとしては少し物足りなかったかもしれませんが、それでも4時間のワーク&講義をほぼぶっ続けでシャワーのように浴びて頂いて、皆さんは少しNGO/NPOというもののイメージを持って頂けていればいいな、と思っています。

 さて、2日目。これはまた改めて。ザーザー降りではないとはいえ、雨。そして農林業体験。でもなぜかみんな楽しそうだったのです。いや、本当に。