マイクロクレジットは1億人を救う?!

全世界で融資1億人超す マイクロクレジット
 貧困救済策として注目されるマイクロクレジット(無担保小口融資)の対象となった人が、2005年に全世界で1億1300万人に上ったことが1日、分かった。
 米国に本拠を置く非政府組織(NGO)「米国リザルツ財団」が同日公表した報告書で、3000以上の融資団体の集計結果として明らかにした。
 マイクロクレジット貧困層の生活を支えながら経済的な自立も促す新手法。バングラデシュで普及に努めてきたムハマド・ユヌス氏が今年のノーベル平和賞を受賞することが決まっている。
 報告書は、融資を受けた人のうち「最貧困層」は約8200万人に達し、普及への本格的な取り組みが始まった1997年に比べて10倍以上に膨らんだと指摘。アジアなどの途上国で牛乳や卵などの販売や工芸品の製造などの事業に役立っているという。
 今月中旬にはカナダのハリファクスで、ユヌス氏ら関係者を集めた「国際マイクロクレジット・サミット」を開催。2015年に1億7500万人の最貧困層マイクロクレジットの対象となることを新たな目標に決める方針だ。

記事中にもあるけれど、ノーベル平和賞受賞でちょっとまた話題になっているマイクロクレジット
グラミン銀行をはじめとしてこれを支援しているNGOのひとつのリザルツ財団が発表したもので、この融資の対象となった人が1億人を超えているそうです。

マイクロクレジットについては山形浩生さんのブログ記事(「マイクロファイナンスあれこれ:来世を借金のかたに取る」)や木村剛さんのブログ記事(「ノーベル平和賞の受賞者は消費者金融業者だった!」)にもあるようなこともまた目を通す必要がありますね。特に、前者のなかにある下記のようなことは考える必要があるかもしれません。

(前略)マイクロファイナンスといえども人の善意なんかに頼るのではなく、ちゃんと人が借金を返さざるを得ないような仕組みを作っているんだよ、ということだった。グラミン銀行の場合には、それは村落共同体における五人組の連帯保証システムだった。(中略)
返済を担保する仕組みが作れないところは、どこでもほぼ例外無しに失敗する。何を利用してこの返済をきちんと担保するか――それはマイクロファイナンスの本質でもある。それをちゃんと作れないと、お友だちレベルでの金の貸し借りを越える、ノーベル平和賞に価するだけの仕組みにはとうていなれないのだ。

もちろん、何にしろ良いところもあれば悪いところもある。ただ、それをきちんと見るか見ないかはとても大切なことだと思います。

ムハマド・ユヌス自伝―貧困なき世界をめざす銀行家

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