ビジネスの前に空爆を

ある種、一方的な「終結宣言」で落ち着いた感のあるファルージャ。その後、イラクでの米軍と武装勢力との間の抗争は終結するどころか、イラク大に拡大しているようだ。そんななか、日経新聞に次のような記事が載っていた。

「米軍の技術兵らが16日、制圧作戦が続くイラク中部ファルージャに入り、水、電気などの生活インフラ復旧に向けた調査を開始した。被害が甚大で復興には時間がかかる見通しだが、イラク暫定政府、米軍ともに情報公開には消極的だ。………中略………ダウード・イラク国務相(国家安全保障担当)は16日、ロイター通信に「作戦で被害を受けた市民には金銭補償を用意している」と述べた。だが、暫定政府は市内で破壊された建物が全体の1割強にすぎないと主張。「市内はがれきの山で餓死者も出ている」などと指摘する医療・食料支援機関とは被害規模の認識で大きな開きがある。」

思い出すのは、ナオミ・クラインが英紙『ガーディアン』に、イラク戦争が始まり、米軍がバグダッドを占拠したあとに寄稿した文章、「ビジネスの前に空爆を(Bomb before you buy)」だ。文字通り、戦争を行ったのは、円滑なビジネスを進めるためだということ。

ファルージャでもまた、インフラ復旧に米企業が大量に詰め込まれることになるのかどうか。はてさて、なんとも血生臭いお金が世界を回っている。

ブランドなんか、いらない―搾取で巨大化する大企業の非情

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