読書日記

国際協力やNGOに関する新刊・近刊情報

国際協力やNGOに関連する書籍の新刊・近刊情報です。流域ガバナンス―中国・日本の課題と国際協力の展望 (アジ研選書 No. 9)作者: 大塚健司出版社/メーカー: 日本貿易振興機構アジア経済研究所発売日: 2008/03メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を…

公開性と情報の共有〜梅田望夫、平野啓一郎『ウェブ人間論』

僕なんて最早パソコンなしでは生活できないだろうなぁと思うくらい、仕事や研究はもちろん、私生活でも使っているし、それ以上に、インターネットによる恩恵を数限りなく受けているものとしては、「使わない」という選択肢は「食べない」というものに非常に…

教育による平和構築〜小松太郎『教育で平和をつくる』

今月26日、フセイン元イラク大統領の死刑判決が出ました。罪状は82年にイラク中部ドゥジャイル村でイスラム教シーア派住民148人を虐殺したという「人道に対する罪」。このほかにもクルド人の暗殺やクウェート侵攻にまつわるさまざまな人道的な罪があるのです…

チャーミングに世界を変える方法

数年NGOに関わっていて強く思うのは、NGOの専門性と先見性の重要性とともに、どれだけその問題を多くの人に知ってもらい、「何とかしよう!」と一緒に思えるか?ということです。この辺りは、NGOの正統性の問題に大いに関わってくる問題ですが、同時に、NGO…

国際理解推進図書決まる。

国際理解促進図書決まる 国際言語文化振興財団は第1回国際理解促進図書を表彰した。 ということで、以下の図書に決まったそうです。紹介します*1。それにしても語学の書籍が入っていますが、英語ばかりなのはどうしてなんでしょうか。単に他の言語では「国…

テロをなくすための相互理解〜内藤正典『イスラーム戦争の時代』

いわゆる「イラク戦争」が「終結した」とブッシュ米大統領が宣言してから3年余が過ぎた。イラク政府の樹立を見て、そろそろ各国の部隊がイラクから引き上げようかという議論がこれから秋にかけて活発になるだろうと思うのですが、実際、どのような議論がなされ…

僕たちの生活と戦争〜田中優『戦争って、環境問題と関係ないと思ってた』

米国防総省が、「9.11」、米同時多発テロで、ハイジャックされたとされる旅客機がペンタゴンに激突したところを録画していたビデオを初めて公開しました(毎日新聞)。これは、アメリカのNPOである「ジュディシャル・ウオッチ」が行った情報公開によって…

健康ファシズム日本

風邪を引いたり、NGOイベントまっただ中にある身にとって余り更新する時間…というより心の余裕がなかったりするのだけど、とりあえずは気持ちの問題でもあるので、それでも覗きに来て下さっている方には感謝のみ。毎週買っている週刊誌が硬軟織り交ぜて8冊…

「グローバリゼーション」について知りたい人必携

アフリカ支援がいろいろと話題になる中で良くも悪くも相変わらず使われる言葉が「グローバリゼーション」だ。みんながこの言葉を使いながらも、その定義の仕方はさまざまで下手すると10人いると10人なりの「グローバリゼーション」の意味合いが存在するよう…

戦争の気配を感じ取ってください。〜三崎亜記『となり町戦争』

昨年のとあるイベント集会でパネリストのひとりがこう尋ねた。「このなかで戦後生まれの方はどのくらいいますか?」と。この質問に会場内の多くの人が手を挙げた。そしてパネリストの方は手を下ろさせたあと、「あれ?今、日本は戦中じゃないんですかね」と…

平和をつくる方法

最近出版された、伊勢崎賢治さん(立教大学教授)の『武装解除 -紛争屋が見た世界 (講談社現代新書)』(講談社現代新書)を昨日鹿児島から帰る新幹線のなかで読みました。他にも気になる本を数冊持って5時間以上の移動時間に備えていたのですが、この本を読み始…

とりあえず、この一冊!

ここのところガッツリと個人的に書いてきたので本の紹介をしますね。つい先日…といっても先月下旬ですが…に出版されたのが、左の『連続講義 国際協力NGO―市民社会に支えられるNGOへの構想』(今田克司・原田勝弘編著、日本評論社)という本。連続講義 国際協…

なるほど!「市場の社会的深化」ね。ふむ!

この間も書いた「政治と経済の一体化」という問題について触れられている本を読みました。画像にもある姜尚中さんとテッサ・モーリス−スズキさんの『デモクラシーの冒険 (集英社新書)』(集英社新書)という対談形式を取られた本です。デモクラシーの冒険 (…

!Ya Basta!(もうたくさんだ!)

黒い覆面をかぶった男は自らが行っているムーヴメントについてこう言いました。「テロ襲撃を決して行ったことがなく、人を暗殺したこともなく、爆弾を仕掛けたことも決してない武装運動です」(p.66)マルコス・ここは世界の片隅なのか―グローバリゼーションを…

あなたは普通ですか?

「普通」という言葉は、昔と比べて随分と使用頻度が高いと思うんです。普段の生活の中でもそうだし、NGOやNPOに関わっていても耳にすることが多いなぁという気がします。その言葉は、「みんなと一緒だよ」という意味合いを自分の行動に持たせるために使われ…

国際協力活動のための第一歩

世の中、疑問に思ったり、おかしいなぁと思ったりしたときがNGOや国際協力の活動が始まると思っている。外国に興味を持つ所から始まるかもしれないけれど、結局は問題を意識したときに、そしてそれをどうにかしたいと思ったときに始まる。けれど、特別な専門…

『戦争が遺したもの』

鶴見俊輔・上野千鶴子・小熊英二『戦争が遺したもの』(新曜社、2004年)を読了。「ベトナムに平和を!市民連合(ベ平連)」の中心人物の1人でもあった、鶴見俊輔を中心に上野と小熊が、戦後の日本を3日間に渡って振り返る鼎談。ひとりの知識人の目から見…